好きだと改めて感じた

大学も新学期が始まり、実習など忙しい日々を送っていた。
そして、その頃、私は、昔から習っていたエレクトーンに夢中で、週に二回、日吉センターでレッスンを受けていた。
新しい出会いなんて全然ない。
アルバイトをして、ママローンで買ってもらったエレクトーンとレッスン代も必死に稼いでいた。
かなり、毎日ハードな日々だったと思う。
そんな中、私が家に帰るのを見計らって、必ず新ちゃんから電話がかかってくる。毎日である。
彼との他愛もない会話は、楽しかったが、大学と、レッスンとバイトの3足のわらじを履く私。
忙しい時は、ちょっと、めんどくさいなぁ…と思うこともしばしばであった。
私の気になる大田君は言えば、彼も大学と設計の課題とバイトに追われているらしい。
社会人1本の新ちゃんには、中々、この気持ちわかってもらえないだろうなぁと…冷めていく自分がいた。
ある日曜日、その日も、私は、朝からバイトだった。
バイト先は、デパートのサービスカウンター。
店内放送から、プレゼントの包装から、迷子の預かり…仕事は多岐にわたっていたが、とても楽しい、やりがいのあるバイトだった。
4時近くなり、お客さんの出足も落ち着いた頃であった。
サービスカウンターの横のエレベータから、ひょこっと大田君が顔を出した。予告のない登場は、これで2度目である。
カウンター越しに、久しぶりの再会。会話の花が咲いた。
「制服姿なんだね」と言われ、急に恥ずかしくなった。
「終わるまで、待っててもいいかな?」
彼は、近くのファーストフード店で時間をつぶしていると言った。
6時までの時間を待っててくれるのか、心配で仕方なかった。
新ちゃんと大田君。二人同時から告白され、もう、二カ月ほどが経とうとしていた。
あとSNSサイトでも2週間前に告白されたけどそれはカウントしていない。
私は、やっぱり、大田君が好きなのだと、今は迷いなく、言える。
でも、どうやってこの気持ちを伝えればいいのか?二人の友情は?など…考えると、そこで行きづまってしまう私がいた。
彼は、私のバイト終了まで、待っていてくれた。私は、心の底から、嬉しかった。
新ちゃんといるときほど、話は弾まなくても、笑うと目がなくなってしまう、彼の優しい目を見ているだけで十分だった。
彼は、教習所に行き、免許を取得したのだといった。
「家まで送っていっていい?」
私は、にっこりと笑顔を返した。
彼のことが、本当に好きだと改めて感じた。
私は、悩んだ末、明美に相談した。
明美は、新ちゃんと大田君を、紹介してくれた大学の友人だ。
三人の間に、どういうやり取りが行われたのかは、不明だが、明美からこう言われた。
「明日、朝、大田君が話あるって」
周りの友達はにやにやしている。
どんな話だろう…私は、今晩眠れないなぁ…と思った。




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